本稿では、「YK値が0」かつ「YK3値が高い」場合の特許について考察します。

YK値とは「競合他社による無効審判などの特許への攻撃を はね返した度合いを数値化したもの」です。
それに対してYK3値は、「自社(特許権者)が拒絶応答や年金の支払い等、特許を維持するために起こした行動を数値化したもの」です。
つまり、「YK値が0で、YK3値が高い」特許は、
- 競合他社から無効審判や異議申立といった、攻撃とみなされるアクションが一度も行われたことがない
- YK3値が高ければ高いほど、その特許に投資をしている
ということが分かります。
投資しているにもかかわらず、YK値が上がらない理由はいくつかありますが、
一般的に、 特許を何件も出願したとしても、公開された時点で誰も目にとめない特許であれば、
YK値は上がりません。
これは、
- 特許を出す領域が間違っている
- 特許権利の取り方が間違っている。
ことが考えられます。
わざわざコストをかけてアクションを起こさなくても、
競合企業では回避方法を容易に考えられたり、あるいは回避方法を既に持っているということです。
上記の他に、YK値が上がらない理由として、下記の可能性があります。
●これから上がる可能性
この場合、まずは出願や登録が直近であるのか、年度を確認します。
( 2021年4月現在 、2005年出願であれば伸びる可能性は低いです。)
●その分野で独占的である
1件の特許が、邪魔になるどころか、周辺特許まで完全におさえられている場合が当てはまります。
隙が無く、誰も攻撃できない状態ですのでYK値は上がりません。
●戦略の一環である
あえて、誰の目にもとまらないように出願している可能性もあります。
近年は特許調査ツールの精度向上により「見つからないようにする」ことは難しくなりましたが、
戦略的に他社の目を引かないようなクレームの書き方をしている可能性があります。
以上、 「YK値が0で、YK3値が高い」 の特許についてご紹介しました。
YK値を上げるための方法については、下記の記事もご参考ください。
➡自社YK値を高めるためにできること
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