企業のYKS時系列グラフから、知財戦略の状況を読み取る。

本稿では、「企業別YKS時系列グラフ」のベーシックな見方をご紹介します。

企業別YKS時系列グラフとは、

企業のすべての技術分類における技術競争力(YK値)の推移と、
特許に対する注力度・投資(YK3値)の推移

を表すグラフです。
YK値の推移とYK3値の推移を比較することで、その企業の知財戦略がどのような状況にあるのかを、伺い知ることができます。

では、A社、B社の2つのグラフを見てみましょう。

まずは、A社の企業別YKS時系列グラフです。
順調にYK値が上昇推移していることが分かります。

A社の企業別YKS時系列グラフ。ここ数年、YK値は上昇傾向にある。

YK3値グラフと重ねると下記のようになります。

A社では、YK3値も上昇傾向にある。

A社のグラフは、YK値、YK3値ともに、上昇傾向になっています。
このグラフからは次のことが推測できます。

  • 特許技術に対して、積極的に投資している(YK3値)
  • 投資に伴い、企業全体の特許技術競争力も上昇している(YK値)

つまり、A社では、知財戦略が上手くいっていることが読み取れます。

次に、Bの企業別YKS時系列グラフを見てみます
B社のYK値は下降傾向が続いていることが分かります。

B社の企業別YKS時系列グラフ。ここ数年、YK値は下降傾向にある。

YK3値のグラフと重ねてみます。
B社のYK3値は、上昇傾向になっています。

B社では、YK値に反してYK3値は上昇傾向にある。

B社のグラフは、YK値は下降していて、YK3値は上昇しています。
このグラフからは次のことが推測できます。

  • 特許技術に対して、積極的に投資している(YK3値)
  • 投資しているにも関わらず、企業全体技術競争力は低下している(YK値)

つまり、B社では、知財戦略が上手くいっていないことが読み取れます。

このように、企業別YKS時系列グラフでは、自社や他社の技術競争力と特許に対する投資の比較を、一目で把握することができます。

さらに、企業の技術分類ごとに技術競争力と特許に対する投資を比較できるのが、「企業セグメント別YKS時系列グラフ」です。

企業全体の技術競争力と特許への投資の推移と、一つ一つの技術分類における技術競争力と特許への投資の推移が、同じであるとは限りません。

どの技術分類が好調なのか、あるいは不調なのか。
「企業セグメント別YKS時系列グラフ」で、ご確認いただけます。

※「企業セグメント別時系列グラフ」のご紹介は、こちらの記事もご参考ください。

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