イノベーションボックス税制の活用例と課題 

2024年度税制改正大綱において特許などの知的財産から得られる所得の税負担を軽くする「イノベーションボックス税制」が明記された。研究開発等から生まれた知財からの所得を減税する。研究開発の活発化を促すととともに知財の流通を促し技術革新を社会に広げる後押しをすることを目的とする。

所得控除額は、「知的財産の譲渡・ライセンス収益」×「日本国内で税控除を受ける企業が知的財産開発に費やした支出/税控除を受ける企業が知的財産開発に費やした支出+税控除を受ける企業が知的財産開発のために外部から導入した技術等に費やした費用」×30% の額となる。

このように所得控除されるのは知的財産の譲渡・ライセンス収益ということになるので、この税制を有効に活用できる企業はいわゆるグループ企業ということになる。

例えばメーカーAが自社の子会社であるメーカーA‘に特許ライセンスをしている場合が想定できる。このような場合にはメーカーA’がメーカーAの100%子会社の場合には、メーカーA‘から支払われるライセンス料が適切であるかの判断が重要になってくる。通常の事業運営上の費用としてメーカーA’がメーカーAに支払うべき金額の一部をライセンス料に肩代わりさせるようなことがあると不当に税控除されることになる。また、実際にはメーカーA‘で実施されていない知的財産について形式的にライセンスをするようなケースも監視されなければならない。

このような問題点をどのようにして解決してゆくのか見てゆきたい。

参考記事:日本経済新聞電子版 2024年2月5日付